赤ずきんと黒ずきん。


≪ 森の中 家の中 ≫


 一人、悩んだ顔で・・・・机と睨めっこする少女。

 赤ずきんに似ているが・・・・頭巾の色が違う。


 双子の姉、黒ずきん。
 彼女もまた、何かと知ってしまった様で。



「 赤ずきんに・・・・・気付かれた、わね。 」


 そう独り言を言ったきり、黙り込んだ。
 その表情は、やはり真剣そのもの。



( この計画を知られちゃ困る。
  あの仔が、反撃してきたらどうしよう?
  そうだ、何とかはぐらかせば良いんだ。
  はぐらかす為には? どういう理由がいる?
  分からない。 考えられない。
  ・・・・・そうだ。
  今日決行すれば良いんだ。
  今すぐにでも。
  それが一番良いんだ。 )


 
 知らないうちに、勝手に体が向かっていた場所。


 ───あの、集会所。
   赤ずきんに気付かれてしまった、
   そして彼女を“倒す”為に集まっていた。
   今、集会所の中には狼が3匹。



「 ちょっと・・・・・言いたい事があるの。 」

「 ん、どうした? 黒ずきん。
  決行は明日じゃないのか? 」

「 いえ、それが・・・・・ 」





 ───私のしている事は正しいのだろうか。
         本当に良いのだろうか───


 心の何処かでそう考えるも、
 そんな気持ちを振り払って、
 彼女の口から出た言葉。


 “ 戦いは、今日決行よ─── ”
< 4 / 8 >

この作品をシェア

pagetop