赤ずきんと黒ずきん。
≪ 森の中 家の中 ≫
一人、悩んだ顔で・・・・机と睨めっこする少女。
赤ずきんに似ているが・・・・頭巾の色が違う。
双子の姉、黒ずきん。
彼女もまた、何かと知ってしまった様で。
「 赤ずきんに・・・・・気付かれた、わね。 」
そう独り言を言ったきり、黙り込んだ。
その表情は、やはり真剣そのもの。
( この計画を知られちゃ困る。
あの仔が、反撃してきたらどうしよう?
そうだ、何とかはぐらかせば良いんだ。
はぐらかす為には? どういう理由がいる?
分からない。 考えられない。
・・・・・そうだ。
今日決行すれば良いんだ。
今すぐにでも。
それが一番良いんだ。 )
知らないうちに、勝手に体が向かっていた場所。
───あの、集会所。
赤ずきんに気付かれてしまった、
そして彼女を“倒す”為に集まっていた。
今、集会所の中には狼が3匹。
「 ちょっと・・・・・言いたい事があるの。 」
「 ん、どうした? 黒ずきん。
決行は明日じゃないのか? 」
「 いえ、それが・・・・・ 」
───私のしている事は正しいのだろうか。
本当に良いのだろうか───
心の何処かでそう考えるも、
そんな気持ちを振り払って、
彼女の口から出た言葉。
“ 戦いは、今日決行よ─── ”