seven kisses
買い物の途中、お揃いの食器が欲しくて、二人仲良く、お気に入りの雑貨屋さんを覗いている時だった。



「よっ!何してんの?」



突然、私の肩を叩く人がいて、振り返ると、声の主は会社の先輩だった。



一期上のその先輩は、入社後しばらくの間、教育係として私に仕事を教えてくれていた。

長身で甘いマスクの上、爽やかなスポーツマンタイプ。

優しくて、後輩の面倒見も良いし、営業成績だって抜群の有望株。

非の打ちどころのない先輩は女子社員の憧れの的で、本当のことを言うと、当時は私も秘かに思いを寄せていた。

< 3 / 190 >

この作品をシェア

pagetop