seven kisses
「打ち合わせを兼ねてランチしましょう」って誘いに来たくせに、この展開はおかしくない?

その日は結局、仕事の話なんてまったくしないまま、微妙に緊張感の漂うランチタイムは過ぎて行った。



と言うか、気付けば、彼のペースに巻き込まれていて、普通にタメ語で話していた。

どうした、私?

もちろん、こんなことは初めてだ。

初対面の取引先に対して、これって許されることなのかな?



話の流れで、けっこう失礼なことも言っちゃったし、言われていたと思う。

なのに、嫌ではないし、むしろ楽しかったような気さえするのは何故だろう。



そもそも、彼はまだ24になったばかりらしい。

五つも年下のくせして、生意気過ぎ。

でも、初対面のはずなのに、ちゃんと私をわかってくれてるような..........



いや、変な期待しちゃダメだって。

所詮、ただの取引先だし、滞りなく好きな仕事が出来れば、私は満足だ。



だけど、何だか気になる。

上手くは言い表せないけど、不思議な子..........

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