seven kisses
ちょっと、嘘でしょ..........

今、何て言った? 本気?



彼は驚く私の頬に手を当て、顔を近付けて来た。

そして、まさか.......なんて戸惑う間も無く、とても丁寧にキスをした。



「これで、契約完了ね。」

「..........。」



その時、私の中で完全に時間が止まった。

頭が真っ白になって、今、何が起こったのか、瞬時には理解できなかった。

だって、こんなのあり得ない..........




「嘘でしょう?って、顔に書いてある。」

「へっ? あっ.......。」

「か・わ・い・い。」

「..........。」



彼独特の妙に色気のある目線が、私だけに注がれている。

瞬く間に、耳まで真っ赤になって行くのがわかる。

恥ずかしくて目が合わせられなくてモジモジするばかりの私を見つめながら、彼は余裕のある様子で微笑んでいる。



うわ〜! ! どうしよう。

何なの、この展開は!!

もうどうやってもドキドキが止められない。

何か言わなくちゃと思うけど、言葉がまったく出てこない。

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