リアリストシンデレラ
01 風のない日




朝、目が覚めて 真っ先にメール確認、


なんてことはしない。だって私と先輩は後輩と先輩。




まず、目覚ましを消す。あ、携帯充電終わってる。


USBのメモリに削除しなきゃいけないファイルがあることを思い出してパソコンをたちあげる。


パソコンの置いてあるテーブルのすぐ横は窓。目に入ったから開けてみた。今日は風がない。




(たちあげるまで時間あるから携帯いじろっかな)


雑誌の占いでは今日から恋愛運が悪くなるらしい。


携帯は光ってるけどそれが示してるのは迷惑メールなのか先輩のメールなのか。




(あきれられたら オシマイだな) (まぁ私が悪いんだけど)



なんて考えがよぎった私に自然に困った笑みが漏れた。



(え?)


(なんか、それって)




『新着メールは三件です。』上から順に、迷惑、迷惑、先輩…。






(…ほっとした、なんて) (なんて私は都合のいいオンナなんでしょう)


ちゃんと思考が戻ってきたのは 急に吹いた風に 体が震えたから。












風のない日
(だから私はダメなんだよ)
(あぁ、かき消され風化する感覚)






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