恋の行方〜甘い約束〜
そのまま家まで休む事なく、走り続ける。


家の中に駆け込むと、そのまま玄関に倒れる。



く、苦しい…


ぜいぜい言いながら倒れている私を、リビングから出て来たお母さんが驚き声をかけて来た。




『花梨っ!?どうしたの?』



「ちょっと…はあはあ…走って帰って…はあ…来たから…」



どこか具合悪いわけではないとわかって安心したのか、お母さんはため息をついた。


『もう…びっくりさせないでよ。そんなに急いで帰ってくるほど楽しみにしてたの?』



楽しみに?
何の事?



まだ息苦しい体を起こして靴を脱ぎ四つん這いになりながら家の中へと進む。


「…楽しみにって何の事?」



『あら?違うの?』



そう言ってリビングに戻るお母さんを目で追う。



ようやく、起き上がる事も出来るくらい息も整ってきて、私もリビングへ向かい


「ねえ。何の事?」



もう一度お母さんに尋ねた。



『お隣り。今日引っ越してきたわよ?少し前に直子さんがご挨拶にいらしたの。変わらず綺麗だったわ。』


「うそっ!じゃあもう隣に住んでるの?アリサちゃんは!?会った?綺麗だった??」
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