恋の行方〜甘い約束〜
「…その結婚の約束した相手が俺だって考えつかなかったワケ?」






『…え?』






間の抜けた顔で聞き返すソイツを見てると余計苛々してしまう。





俺は屈み込んで、胸倉を掴み、顔を近付けてもう一度言った。






『だからさ?花梨ちゃんの言った相手が俺の事だって、何で考えつかないのかって聞いてるんだけど。』





俺の言葉を漸く理解したのか、俺と花梨ちゃんを交互に見てくる。





『…雨宮さん…今の話…ホント…なの??』








胸倉を掴まれたままの状態で問いかけてくる。







俺も花梨ちゃんを振り返り見てみると、花梨ちゃんはソイツと目を合わせるのも嫌なのか、しゃがみ込んで、俺の後ろに隠れるように身を隠した。






ギュッと背中辺りの制服を掴まれる。
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