恋の行方〜甘い約束〜
俺はソイツから手を離して、後ろに隠れる花梨ちゃんの肩をそっと抱いた。







そしてゆっくりと包むように抱きしめる。






そして、呆けた状態の男を見て一言、言った。







「2度と…花梨ちゃんの事傷つけるような真似はするな…
あと…俺達の邪魔もしないでくれる?」







『―ッ。』







立ち上がり、バタバタっとデカイ足音をたてて立ち去る男。







足音が遠ざかり静かになった頃、花梨ちゃんに声をかけた。





「花梨ちゃん、もう平気だから…」






ガタガタと震える体。






「怖かったよね?でも…もう平気だから…ね?」





少し体を離して顔を覗き込む。





俺と目が合うと、ポロポロと涙を流し始めた。






『―ッ…く……。』






しゃくり上げる声を堪える姿が、…泣き顔が、いじらしくて…






離した体をもう一度、引き寄せて抱き寄せた。
< 119 / 338 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop