恋の行方〜甘い約束〜
「ちょっと、怖い思いしただけ…。でももう平気だから。」





先に立ち上がった純君が私に手を差し延べてくれる。




私はその手に自分の手を重ねて立ち上がった。





照れもなく純君の手を握れる自分の気持ちの変化に驚いた。





『…?どうかした?』






不思議そうな顔をする純君に私は何でもないと首を横に振る。




『怖い目にあったって…吉田か?』





京平君が尋ねて来て、その名前を聞いただけで少し体が強張った。






バシッ






『もうっ!何であんたはそう気遣いが出来ないの!?』






『痛ってーなっ!何も殴ることないだろ!』





頭を摩りながら、言い争いを始める二人を見てると、自然と笑みが零れた。






手を握ってくれる純君が隣にいて、心配してくれる友達がいて…





いつもの調子の二人を見てようやく…心から安心できた…
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