恋の行方〜甘い約束〜
話し終える頃には病院に着いて、休診と札のかかっている玄関の鍵をあけて、私を中へと入れてくれる。




診療室へ連れてかれて、ベッドの上に座らされる。




私の足を手にとって若先生は眉をしかめた。




『結構腫れてきたな…。相当痛かったよね?』




私は小さく頷いた。




けど足なんかよりも胸の奥の方がずっと何倍も痛い。



話してラクになるどころか思い出してきちゃって、苦しいよ。




『きっと申し訳なくて顔が見れなかっただけだと思うな…。』




冷たい湿布を貼って、私を見上げる。




『純君はさ?無理矢理キスされたとしてもきっとメチャメチャ申し訳ないと思ってるんだよ。』




包帯を手に取り足に巻きながら続ける若先生。




『花梨ちゃんとその京香ちゃんだっけ?その間で揺らいでる訳じゃないよ。ただバツが悪くて目を合わせられなかったんだと思うな。…はいできた!』




包帯を巻き終えた若先生は湿布と包帯を元の場所へと戻しに行く。


< 219 / 338 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop