恋の行方〜甘い約束〜
そしてそのままグッと後ろへと押されて倒れ込む体。



「きゃっ…!?…やっ!やめて下さいっ…」




両肩を押していた手はいつの間にか私の両方の手首を押さえつけて…




私の上に覆い被さってくる晃先生は…




何故か笑っていた。




見たことのない妖しい笑みを浮かべて笑う顔に、ゾクリとして体が強張る。




『駄目だよ花梨ちゃん。他の男に弱ってる姿なんて見せちゃ。俺の入り込む余地、ありまくりじゃん!』




その言葉に聞き覚えがあった。




純君と晃先生が初めの頃意味不明な会話をしてた時に言ってた言葉だ…。




『俺ね?花梨ちゃんが初めて来院した時から気になってたんだ。気づかなかった?あんなに露骨に名前で呼んだり、毎日通院させたり…』




「ち…治療の為じゃ…」




ガタガタと震える体。唇まで震えて上手く話せない。



簡単に抑えてる様に見えるのに、いっぱい力を入れて離れようとしても全然敵わない。

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