恋の行方〜甘い約束〜
『一人で…立てそう?』





もう一度だけ…と思って手を差し出した。





繋いでくれなかったらどうしようと本気で思った。





しばらく俺の左手を見つめていた花梨は…





震えた右手を…重ねてくれた。





右足を引きずるように歩き始める花梨に…ヤツが話しかける。





『足…もう一度見せて。』




ふるふると頭を横に振る花梨の震えが尋常ではないくらい大きくなった。





ガチガチと鳴る歯に青ざめた唇。





「結構です。…2度とここへは来ません。花梨にも絶対近づかないで下さい。」




ゆっくりと手を引いて病院を後にした…



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