恋の行方〜甘い約束〜
ピタリと動きを止めた。
ゆっくりと母さんの方へ振り返ると、ニヤニヤしながら俺を見ていた。



『花梨ちゃんに会いたくないの?』




『まさか…引っ越し先って…』




『花梨ちゃん家のお隣りよ。戻る事になったのよ。』



幼かった頃の花梨ちゃんが頭の中で甦る。




『どうしても一人でここに残るって言うなら、頑張ってお父さん説得してみたら?』




そうしてキッチンへ向かう母さん。




くっそ。すげームカつく。引っ越し先がまさか昔住んでた所なんて思いもしなかった。



しかも先に言えよ。そうしたらこんなに反対しなかったのに。



ここで大人しく言うことを聞く事がすげー癪にさわるけど…




母さんの言う通りだ。




俺…花梨ちゃんに会いたい。
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