恋の行方〜甘い約束〜
検査結果が出た後…お母さんは言いずらそうに私に話を始めた。





『…被害届け、どうする?』





その言葉に、体が強ばる。




『純君から聞いたわ…

知らない人に襲われかけてたって…
助けるのが精一杯で、犯人の顔も覚えてないって…』




その言葉に…何も言えなくなった。





純君は…どうしてそんな嘘を…?





『警察に届ければ…きっと探そうとしてくれるでしょうけど…その時の事…聞かれるでしょうし…。最悪の事態は免れたし…このまま忘れない?』





私は、お母さんの言葉に頷いた…。






思い出すなんて…ムリだよ。





だって今もその話をしただけで触られた感触が生々しく出てくるんだもん…





ガタガタ震え出す私をお母さんは大丈夫よ…って抱き締めてくれてた。



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