恋の行方〜甘い約束〜
声 side 花梨
足の捻挫も手首の擦り傷も…すぐに良くなった。
けれど…声はまだ出てこない。
どこにも異常の見当たらない、精神的なものだということで、入院3日目に私は心理カウンセラーの先生の所へと連れてかれた。
お母さんと二人で診療室へ入る。
中にいたのは女の先生で、意外にも白衣を着ていなかった。
『雨宮さんこんにちは。』
にっこり笑うその笑顔に少しだけ緊張がとける。
それでも、あの出来事の後に声が出なくなったから、あの時の事、色々聞かれるのかなって構えてしまう。
『雨宮さん、ピアノ弾ける?』
全然違う質問に戸惑いながらも頷いた。
『いいな〜。私ね最近習い始めたんだけど、全然上手にならなくて。
両手で弾こうとするとリズム感なくなっちゃうのよね…』
その後もずっとピアノの話ばかりで、私に何度も相槌を求めながら1時間ひたすら先生は話し続けて、診療室を後にした。
けれど…声はまだ出てこない。
どこにも異常の見当たらない、精神的なものだということで、入院3日目に私は心理カウンセラーの先生の所へと連れてかれた。
お母さんと二人で診療室へ入る。
中にいたのは女の先生で、意外にも白衣を着ていなかった。
『雨宮さんこんにちは。』
にっこり笑うその笑顔に少しだけ緊張がとける。
それでも、あの出来事の後に声が出なくなったから、あの時の事、色々聞かれるのかなって構えてしまう。
『雨宮さん、ピアノ弾ける?』
全然違う質問に戸惑いながらも頷いた。
『いいな〜。私ね最近習い始めたんだけど、全然上手にならなくて。
両手で弾こうとするとリズム感なくなっちゃうのよね…』
その後もずっとピアノの話ばかりで、私に何度も相槌を求めながら1時間ひたすら先生は話し続けて、診療室を後にした。