恋の行方〜甘い約束〜
『でもね、私じゃ全然駄目で、結局アキラは1人で乗り越えちゃったの。

ちゃんと夢だった医者にもなって、お父様の後を継ぐために家で働いて…


でも……違ったのね。どうにもならない悲しみを抱えていたんだって、雨宮さん見て気付いたわ。』




「私を、みて?それどういう…」



『似てるのよ。そっくりとは言わないけど、雰囲気とかがなんとなく。

こうして声を聞くと、声が一番似てるかもしれないわ。』




『だから花梨に近づこうとした?』



ベッドに腰掛けて話を黙って聞いていた純君が、不意に口を開いた。



多分…と頷く涼子先生に私は何もいえなくなってしまう。




『久しぶりに会いにいったら、様子がおかしくて、問い詰めたら、雨宮さんの名前が……』




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