恋の行方〜甘い約束〜
『雨宮さんちょっと話したいから、いい?』



そう言って私を見ながら歩き出す男子に付いてく。



人気のない屋上へ繋がる階段の前まで行くと立ち止まった。



『俺隣のクラスの吉田って言うんだけど、前から雨宮さんの事が好きで…』



はぁ…またか。



『付き合って欲しいんだ。』



真剣な顔で告白してくる吉田君。
私は申し訳ない気持ちで一杯になりながらいつもの台詞を口にする。



「ごめんなさい…私…好きな人がいるから、吉田君とは付き合えない。」


好きな人なんて本当はいない。でもこう言わないと諦めてくれない人が多くて、仕方なくそう言う事にした。



『…そいつとはもう付き合ってるの?』



「結婚しようねって話してるの。」


それはアリサちゃんの事で女の子なんだけどさ。



『そんなにラブラブな人いたんだ…』


「ご、ごめんなさい。」


付き合えなくて…嘘ついて本当ごめんなさい…。



男の人を好きっていう気持ちが正直まだわからない。


だから告白されても、嬉しいというよりそれに答えられなくて申し訳なく思ってしまう。
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