恋の行方〜甘い約束〜
心の中だけで思ってたつもりが、つい口にしてしまった。




純君はそれを聞き逃さずに少し上を向いて考えていた。




『うーん…。花梨ちゃんはさ、覚えてないかもしれないけど、最初は確かに俺の事“純君”て呼んでくれてたんだよ?』





歩きながらそう言う純君に私は驚いた。





「嘘!?そうだったの?…全然思い出せない…」






いつから“純君”が“アリサちゃん”になったのかな?





『いつからかは、俺も覚えてないけど…なんでアリサかっていうのは何となく想像つくけどね。』





「な、何で!?」





純君はニコリと笑って私の顔を覗き込む。





その動作にドキンっとして、思わず立ち止まって後ろへのけ反った。
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