大切な人
-永遠なんて存在しない-
瞬side
目の前に由香がいた。
本当は「違う」って言わなきゃいけないんだ。
でも、俺はまた由香を試してしまった。
由香は、目に涙を溜めて泣くことを堪えていた。
それを見た瞬間…今すぐ由香を抱きしめたくなった。
だけど
昨日一緒に帰った女が
「瞬ね‥あなたと別れて私と付き合うって」
余計なことを言った。
そしたら由香は
「うん。知ってる。お幸せに」
笑顔でそう言ったんだ。
そして
教室を抜けて走り出した。
俺は、女を突き放し
「あいつだから…俺の彼女。篠原由香だけだから!」
言い放って由香の後を追った。