大切な人 -永遠なんて存在しない-

瞬side


俺は、教室で寝ていた。

カタン

誰かが来た音がして
目を覚ましたいのに睡魔に負ける。

薄く目を開けその誰かを見た。

そしたら
さっきまで負けていた睡魔に勝った。

「…由香?」

一緒の教室にいても全然話せなくて…辛かった。

だから
由香の鞄が置いてあるのを見て
俺は、わざと教室に残った。

そして、知らないうちに寝てしまっていた。


「…ぁ、先生が瞬くんの単位ヤバいって言ってたよ。だから、先生の所に来いって」


小さい声で伝えてきた。

その音量に対して俺は、馬鹿でかい声を出した。

「あ゛!!やべーっ!」

無意識だった。
別に気を引くためとかじゃなくて
真剣だった。


「……フフ」


小さな声で由香が笑った。

2ヶ月経った頃から笑わなくなった由香が…

今笑った。俺の前で…








「やっと…笑ってくれた。」


< 23 / 64 >

この作品をシェア

pagetop