大切な人 -永遠なんて存在しない-

圭吾side



「それ、言いにきただけ?
メールで言ってくれれば良かったのに。別にいいよ。一緒に帰ろ。」

「あ、うん。」

由香は、どこか悲しげな表情をしていた。

「どした?浮かない顔して」

「…ううん。」

絶対何か隠してる。
由香は、嘘をつくのが下手くそだな。

「何かあったんだろ?」

また橘のことだと思った。

そしたら
俺のブレザーの裾を引っ張りながら泣き出してしまった。


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