大切な人
-永遠なんて存在しない-
由香の存在
瞬side
「由香っ一緒に化学の教室行かねー?」
こんな感じでいつも由香を誘う。
いつもなら一緒に行くのに
今日は、渡辺に取られた。
「あーダメダメっ由香は、うちと行くから~」
ちぇ…何て舌打ちしながら廊下を歩いていると
前から川本が歩いてきた。
ハっと思ったが何も言えなくて…
川本は、どことなく…悲しそうだった。
「ぉ…おい」
本当は、話かけるつもりなんて全くなくて
何故か分からないけど話しかけてしまった。
んで、後悔する。
話すこともないのにって…
「…あ、橘…」
俺のこと知ってんのか。
まぁ当たり前か…
「ゆ、由香っ…最近元気無いんだけど…」
あー何言ってんの俺。
鬼畜過ぎる。黙れこの口!
マジで最低。
でも
川本からは、意外な答えが返ってきた。
「そっか。それは、俺も知らなかった。
アイツ溜め込むタイプだから…
アンタのときも…
まぁ、よろしくな?」
川本は、微笑んだ。
聞いちゃいけないことを聞いたみたいで…急に怖くなってしまった。