大切な人
-永遠なんて存在しない-
由香side
瞬くん…ありがとう。
私達は、まだ幼かったんだね。
瞬くんが立ち去ってから
圭吾は、私を抱きしめた。
「私ね…ゥウ…私…」
「ゆっくりでいいから…」
「好き…圭吾が好き…」
私がそう言うと圭吾は、うん‥と軽く頷いてくれた。
「圭吾と別れた日にね…分かったの…自分の気持ち。
辛かった…苦しかった。
なのに
圭吾は、私と瞬くんが付き合ってるって勘違いしてて
本当は、昨日言いたかったのに…言えなかったんだよ‥?」
「…由香…可愛すぎだから」
不意に圭吾を見ると顔が真っ赤だった。
「由香…好き。大好き。ホントは、別れたくなかった。
由香は、橘のところが一番いいって思ってたから
…俺でいいの?」
圭吾の馬鹿…。
「…〝圭ちゃん〟がいいの。」
とムスッとしてみた。
そしたら圭吾が
私の頬にちゅと音をたててキスをした。
形勢逆転?とでも言いそうな顔をしていて…
負けた気分だった。