大切な人 -永遠なんて存在しない-

由香side

「圭ちゃん?…手痛いよ」

「あぁ…ごめん」

目の前にいた圭ちゃんが
次の瞬間私を包み込んでいた。

「お前さ。何であいつと付き合ってんの?別れねぇの?毎日あんな事されて辛くねぇのかよ。」

圭ちゃんの顔は見えなかった。
でも、確かに怒ってた。

圭ちゃんの言う通り…何で付き合ってるんだろ。

でも

でも…

「私ね。信じたいんだ。瞬くんのこと…好きだから」

「…由香がそう言うなら。無理すんなよ」

「ありがとう」


本当は、凄く辛い。

だけど

私は、瞬くんを信じなきゃ。

あの子は、友達。
ただ一緒に帰るだけ…

私は、そう何回も頭の中で繰り返した。