コンプレックス
克服
「ユカ…ねぇユカってば!」
「え?…ごめん聞いてなかった、何?」
「呼ばれたよ、番号」
「え?ああ…」
早いものであれから半年が経った。
新たな道を歩むべく、私とさっちゃんは就活をしている。
…窓口、おじさんだ。
「うーん、困ったね」
「何か…?」
「この求人26歳までだよ」
「えっ!?」
「あなたもうすぐ三十路ですよね」
「…もういいです!」
なによニタニタして…
ああ恥かいた。
女性だけの会社を第一条件にしてるから、こんなことも何度もある。
それにしても最近私、なんかぼーっとしている…。
「最近じゃないでしょ。そうね…言うなればもう半年くらい…」
「そんなに!?またさっちゃんてば大袈裟な」
「…あっちは?大丈夫?窓口おっさんだったね…」
「ああ…大丈夫よ、そのうちまた治まるよ!」
とは言ったものの…本当にそうかな。
私は相変わらず男の人と対面するとふるえあがってしまう…。
…克服するためによく外には出るようにはしてるんだけど…
「旅…」
「え?」