コンプレックス
「……えっ!?」
「……………」
これは…神様のいたずらなのか…それとも…
「私の席…隣…」
「…うそだろ?」
「本当だよ!ほらっ…」
「……………」
それは…まさかのタケルだった。
「なんでだよ…」
「…悪かったねぇ、また隣で。私だって…びっくりだよ…」
だけど…ちょっとほっとしている。どこぞの知らない男じゃなくて。
「…なんで沖縄に?」
「なんだっていいだろ」
「…そうですか!」
「…南国料理のお勉強だ。ジェニファーの命令で。おまえこそなんで…」
「…克服旅行だよ。また昔みたいに」
「…なんで福岡空港から?」
「それはっ…なんだっていいでしょ!」
…実は最初はためらい、いったん電車で福岡まで来ていたのだ…。
「失礼しま~す」
もう片方のタケルの隣の席に、女の人が来た。
ちょっと…大丈夫なの?タケル…
「…大丈夫?」
「……………」
「なぁに?もしかして高所恐怖症とか?あはは、かっわい~」
「……………」
「……………」