コンプレックス

「知らん」

「え…!?ちょっと、ここ…どこ?戻れるっ!?」

「腹減ったな」

「え?…ちょっと、タケルっ…」



タケルは、たまたまそこにあった食堂にひとりでさっさと入っていった。

…私もお腹すいた!
あとを追った。





「……………」

「……………」



向かいに座ったのまずかったかな…。タケルはずっと右を向いている。



「あ…私やっぱお腹すいてないや!じゃあねっ」

「うそつけ。ずっと鳴ってるじゃねぇか腹」

「えっ!?」



ほ…本当だ…。自分でも気づいてなかったのに…。



「……………」

「は…ははは、いや、この椅子なんか座りにくいから…そっち行くわ」



私はタケルの左隣に移動した。



「……………」

「あ、やっぱこっちのは座り心地いいや、うん。ははは…」



気ぃ遣ってんの見え見えか…な?
まぁ何はともあれ、私たちはお腹を満たし、再び歩きだした。





「…まだ時間あるな」

「じゃあ海行こうよ」

「え?」



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