コンプレックス
「……………」
「あれ、またどっか行くの?」
タケルは何も言わず、ローズへ戻っていった。
「タケル…?」
ジェニファーさんがタケルをからかっていたなんて私は知らなかった…。
「タケルちゃん、機嫌なおして?ね?タケルちゃ~ん」
「うっせぇじじい!」
「まぁっ!じじいはやめてっていつも言ってるでしょ!…ねぇタケルちゃ~ん」
タケルは自分の部屋に閉じこもってしまった。
「ジェニファーさん…」
「だめ。出てこないわ…」
「ちょっと…やり過ぎましたね」
「まさかここまで怒るとは思わないし…。でもあれね。よほどユカちゃんのことが気になってたのね」
「ごめんなさい、心配かけて…」
「そうじゃなくてね」
「?」
「はぁ、今夜はメニュー追加断念するしかないかしらね…。私が何言っても許してくれないから、あとは頼むわユカちゃん」
「えっ!?はい…」
頼まれてしまった…。
「タケルー…出ておいでよ」