コンプレックス

「………………」



応答無し…。



「…ごめんね。なんか…心配かけちゃって…」

「………………」



何言ってもだめだ…。
私来ないほうがよかったのかな…。











「…い、おいっ、おいっ!」



…ん?



「おいっ!ドアが開かないんだけど…!」

「…え?あっ…」



いつの間にか私は、タケルの部屋のドアにもたれ眠っていた。


タケルは飛び出てきた。



「どっ、どこ行くの!?」

「トイレだよっ!」

「あ…そう、そっか…」



あれから6時間も経っていた。
…結構寝たなぁ。



そういえば…


前にも似たようなことあったっけ。


あの時はまだ…





「何ひとりで笑ってんだよ?」

「えっ!?いや…ちょっと思いだしちゃって」



お手洗いから戻ってきたタケルはまた部屋にこもろうとしたから、私はドアの前に割り込んだ。



「なんだよ」

「…ジェニファーさんも悪気があったわけじゃないんだしさ」

「悪気の塊じゃねぇかったく」

「そんなことないって!もう許してあげてよ!」

「どいてくれ」

「やだっ!」



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