コンプレックス
「……………」
「おまえは俺といると忘れられずに苦しいだけなのか?」
「そんなことない…けどさ、こんな言い合いになるのがやなの!」
そこへジェニファーさんがやってきた。
「あ、出てきたわねタケルちゃん。お店はもう閉店したわよ。…なんか空気悪いわね」
「なんでもねぇよ」
「あ、こら!片付けだけでも手伝ってよね!」
「……………」
また部屋に入ろうとしたタケルをジェニファーさんは引っ張り出した。
「マリア、片付けはこの人たちがしてくれるからあがっていいわよ。お疲れ様」
私たちは黙々と片付けをした。
いつもこんな感じだったけど…なんか今夜は居心地が悪い。
口を開けばまた裏腹なこと言いそうで恐かった。
何が嫌だって…そんな自分が嫌だった。
なんか私…へん。
「…なぁユカ」
「お疲れ様!」
「お疲れ…」
タケルが何か言おうとしたけど、私はかわした。