コンプレックス
悲劇の始まり
「いや、よかったよかった」
「何がよかったのよ?そんな、さっちゃんが思うような良いことはないよ!」
「ユカ、私結婚するから」
「えっ何突然に!?」
「もう私たちいい年だよ。親もうるさいし」
「彼氏いたの?知らなかった」
「うん、この前の合コンで知り合った人」
「ええ!?…ちょっと早すぎない?」
「ないない、もうこう、所謂ビビっときたのよ」
さっちゃんは鼻息荒く、そう言った。
「ユカもいつまでも昔のことこだわってちゃだめよ」
そんなこと言ったって…
さっちゃんは幼なじみ。私の過去も全部知っている。
私のためにきついことも言ってくるけど…
そんな簡単に平気になんてなれない…。
好きこのんでこだわってるわけじゃ…ない。
「はっはっはっはっはっ」
ボリボリボリ…
ひとりでおやつ食べて、お酒呑んで、DVD観て、暑い夏は下着のまま…寒い冬はコタツにこもりっきりで、誰にも何も言われないでひとりの方が気楽なんだから。私はこれで幸せなんだから…
「ん?…えーうそぉ…」