コンプレックス

トイレの電球が切れてしまった。こんな真夜中に…



「ストックが~…あった!よかったぁ」



ささやかに喜び、いそいそと取り替えたけど…



「…こういうのって俗に、男の人がいたらしてくれるんだっけ?」



なんて…ブツブツひとりごとを言いながらトイレの電球替える自分もふと虚しく思ってしまったのだ…。



「ちがうちがうちがう!」



いかんいかん。私は私。私はひとりお気楽人生を楽しむのだ!







けれど…そんなお気楽生活を脅かす出来事が…



翌日、実家からなんとお見合い写真が届いた。



「どういうこと?」



母に電話で問い詰めた。



『そういうことよ。菊江おばちゃんが紹介してくれたのよ』

「お母さん私…」


『事件のことまだ引きずってるの?』

「……………」

『恐いのはわかるけど…おばちゃんの手前会ってちょうだいな』

「…無理」

『そんな、困ったわね…』

「私だってそんなん困るよ~」



よってたかって結婚結婚って…


私の気持ちなんて知りもしないで…もうほっといて!





…しかし、菊江おばちゃんは強引だった。



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