コンプレックス
私が彼氏をつくらないのには理由がある。
それは…
男性恐怖症だから…。
ああ…今から目的地の福岡まで長いなぁ…
席を変わりたい…。
ああ…、あと半分くらいかな…
と、それくらいの時、
「!?」
窓辺にくっついていた彼がいきなり立ち上がった。
そして席を立ち去った。
お手洗い…か?
何にしても束の間の休息だ…ふぅ。
と思っていたが、思いのほか束の間は長かった。
彼は到着寸前まで戻ってこなかった。
腹でも下していたのか?
彼はとうとう、一言も喋らなかった。
ああ…、疲れた…。
さてこの旅行、出だしはイマイチだったけど、気持ちを切り替えて今から楽しむぞ!
華の独身ライフ!
いざ、夜景の綺麗なホテルへ!
「…ととと?」
何度も似た風景に突き当たる。
…どうやら道に迷ったようだ。