コンプレックス
私がとある男のことを気にしてる。こんなの珍しい。
もしかしてタケルは…
「オカマだからか…?」
「またオカマ?」
「うわぁっ…なんだ、さっちゃん!」
「ねぇオカマって何?最近そればっかり」
「あー…なんでもない、気にしないで!」
「ええ?だいたいひとりごとヤバいよ?」
「もう、たまたまその時にさっちゃんいるんだもん、そうしょっちゅう言ってないから。さっちゃんなんでここに?」
「デート。彼今お手洗い。ユカこそ早退までしてどうしたのよ?おばさんは?」
「それがさぁ、ひどいのよ!」
話そうとしたけど、さっちゃんの彼氏が来て、話せなくなった。
「じゃまたね。ユカも頑張って!」
さっちゃんは幸せそうに彼氏と歩いてった。
「頑張れって…何を?」
あっまたひとりごと…。
その夜、おばちゃんからくど~いお叱りの電話があったことは、言うまでもない。
「……んあ~!」
気が立って眠れず、酔ってみても眠れず、もう明け方になってから眠ってしまった…。