コンプレックス
「うん。だからお見合いじゃなくて恋愛しようかと思って」
「は…?」
「僕、物事をハッキリ言える君に惚れた!僕が男性に対する恐怖心を取っ払ってあげる。無理なら僕にだけでも!」
何こいつ…
本当に気持ち悪い…!
「私は…嫌ですっ!」
もう!また逃げろっ!
「あっ待ってよー」
猛ダッシュ…
ずいぶん遠くまで走った。
けどまだあいつがつけてきていそうで、しばらく帰らなかった。
うちの場所を知られたら大変だ。
「おばちゃん!あの人何!?今日も会社まで来てたよ!」
今夜は私がおばちゃんにお叱りの電話!
けど…
『あらまぁ。あんた気に入られたんじゃないの!よかったわねぇ!』
「よくないっ!私断ったでしょ!なのに…」
『断ることないわ、加藤さんお金持ちだからあんた玉の輿じゃない!』
「そういうことじゃなくて…おばちゃん!あのことあの人に話したでしょ!」
『あのこと?』
「私弱み握られちゃったじゃない…!」