コンプレックス

『ああ。あんたの態度が悪いから理由を説明したのよ、それだけのことよ』



それだけって…



「…とにかく私は嫌!もうつきまとわないように言っといてください!」






言ってはくれなかった…。






加藤まさるは毎日待ち伏せをするようになった。
社内でもだんだん噂になってきた…。



「今日もまた来てる。愛されてるねぇユカ!」

「本当にそう思う?あんなのただのストーカーよ。本当迷惑!」

「噂によるとどこかの社長だっていうじゃない?この際玉の輿のっちゃえば!」

「…さっちゃんまでそんなこと言うなんて思わなかった」

「ユカぁ…。あんたずっとひとりでいる気?ご両親だって心配してるでしょ」

「だからって…あの人とは絶対嫌!ひとりの方が私は幸せなのっ!」

「まったく…」





さっちゃんは、昔からずっと味方でいてくれた。
ずっと、そうだと思ってたのに…



だけど親のこと言われるとキツいな…。
頑なに拒んでいる…ただのわがままなのかなって思ってしまう…。






「ユカさん、お疲れ様!今日も送ってくよ」



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