コンプレックス
辿り着いたのは
「菊江姉さんがヘンや人紹介するから…!」
「あんたが娘の先行きを心配してたから私は…!」
「私もあの日泊めてあげてればよかった…」
私がいなくなって、それぞれが後悔したり、責め合ったりしていた。
「とにかく捜さないと…捜索願いも出して」
「警察沙汰にするの!?ちょっと大袈裟じゃない?」
「だってもう1週間も無断欠勤、帰ってもない、連絡もとれないんですよ!」
「ユカちゃん、よくひとりで旅行したりしてたんでしょ?そういうこともあるんじゃない?」
「あの子は会社を無断で休むような子じゃありません!」
「ゆりこさんって昔から過保護なとこあるわよね」
「なんですって!?」
「姉妹喧嘩してる場合じゃないです!」
そうそう、さっちゃんの言うとおり…
けど、私は当分、見つかる気はありません。
絶対見つからない…
ここはだーれも知らないんだから…
その頃私は、柄にもなく華やかなドレスを試着していた。
「まぁ!ユカちゃんよく似合うわ~」