コンプレックス
「…みたいだな」
「やぁだ、もう5時間も経ってるじゃない!タケルちゃんちょっと見てきなさいよ」
「なんで俺が…。電話してみりゃいいだろ」
「じゃお願いね」
「だからなんで俺が!?おい、じじぃ!…ったくもう」
タケルが渋りながらも私に電話をかけてくれたその時私は…
「ジェニファー、俺ちょっと出てくる」
「何?ユカちゃん何かあったの!?」
「わかんねえけど…出てくる」
「あ、タケルちゃん…」
私は…
「…何やってんの?おまえ」
「へへ…ちょっと抜けなくなっちゃって…」
私は、ビルとビルの狭い隙間に入り込み、置いてあったガラクタに足を挟んで動けなくなっていたのだ…。
「靴脱げばいいんじゃねぇの?」
「あ、そっか!はは、バカだね私、そんな簡単なこと…ぃしょっと」
足、脱出成功!
「なんでこんなとこに…。…どうした早く出てこいよ」
「そこらへんに小太りの黒ぶちメガネの40代くらいのおっさん、いなかった?」