コンプレックス
「オッ…オカマ!?」
「ひどいっ!オネエと言いなさい!」
「は…ははは。帰るよ、ユカ」
ひぃぃぃ、また来たよ、もうっ…
「いいかげんにしろよ」
タケルが、加藤の前に立ちはだかり食い止めてくれた。
「何なんだ、君は!まさかユカの…ユカ、おまえ男性恐怖症とか言いながらなんで男と居るんだ?騙したのか!?」
「そんなんじゃない、私は…」
「…許さない」
加藤はそう呟き、こっちを睨みつけながら店を出ていった。
私はえもいわれぬ恐怖にふるえがとまらなくなった…。
「何あれ!?大丈夫よユカちゃん、私たちが守るから」
ジェニファーさんが抱きしめ、なだめてくれたけど…なかなかおさまらなかった。
「ユカちゃん…今日は休みなさい」
「え…大丈夫です。…動いてたほうが気も紛れるし!」
「そう…。じゃ何かあったら私たちお店にいるから。オネエ力を頼るのよ。タケルちゃんは頼りないけど」
「うるせぇじじぃ」
「まーじじぃって言うなって言ってるでしょー!」