コンプレックス

「…もう、わかったから！じゃあね！」



途中で強引に終わらせた。まともに聞いてたら夜が明けてしまう。




「…ユカちゃんも色々大変ね。逃げたくなるのわかるわ」

「…加藤に確認してみます」




気丈ぶってみても…手がふるえちゃって番号もちゃんとおせず、何度も間違えた…。



「…っと、あ、ちがう…、あ～また…」

「ユカちゃん、今日はもういいわ。無理しないで」

「大丈夫です！早く確認してどうにかしないとみんなに迷惑かかります…あ～もう、この手は…！」

「私がおしてあげましょうか？」

「…お願いします」



ふぅ～…。


おちつけおちつけ…。


呼出し音…ふるえはますます強まってきた…。





「も…もしもし…」

『その声はユカだね。初めて電話くれたね。嬉しいなぁ。けどなんで非通知なの？』



気持ち悪くて携帯を耳から離した。



「あの…何かしたんですか？」

『ん？何、聞こえない』

「え？」



も～！加藤の声が小さすぎて、離すとこっちも聞こえないっ…