コンプレックス

…ごめんっ!
たえられないっ…

加藤が電話してるすきに…

…なんで!?
開いてるのに開かないっ…



「うちの鍵は暗証番号入れなきゃ開かないよ」

「……………」

「どこに行くのさ?出かける時は僕と一緒じゃなきゃだめだよ」

「帰るんです!」

「どーこに?」

「これからまた探します!」

「一文無しでどうやって?」

「…なんでこんなことっ」

「君を愛しているからだよ」

「違うっ!こんなの愛じゃない!」

「ははははは!よく言うよ、男を愛したことのない女が。それともなにか、君はやっぱりあの男を愛しているのか?」

「タケルはっ…私の恩人です!」

「ははははは…」



もうっ…気持ち悪い!



「あなたなんか…大嫌いです!」



言っ…ちゃったぁ…。



「構わないさ。そんなこと…」

「…なんで?嫌いって言ってるのよ!…私の気持ちはどうでもいいの!?」

「気持ち?何それ。君は…僕のところに居さえすればいいんだ」



なんて冷血な目…

こいつ…おかしい!



「じゃ僕また仕事行くからおとなしく待って…」


今だっ!


「うおっ…」


加藤が出ようとドアを開けた瞬時に、ありったけの力で加藤をはねのけ、私は外へ抜け出し外からドアを押さえた。



「こらっ…ユカ!開けろっ!」

「くっ…私は…あなたのお人形じゃないっ…!」



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