コンプレックス
翌朝、タケルの熱はすっかり下がり、食欲も完全復活。
「驚異的な回復力ね」
「だろ。俺超強ぇもん」
ケロッとしちゃって…こっちはどれだけ心配したことか…。
「おまえが一晩中看病してくれたからな。しょうが湯も効いたんだ」
「…そ。それはよかった」
なんだ…眠ってると思ってタオル取り替えたりしたんだけど気づいてたか…。
「激マズだったけどな。しょうが入れすぎなんだよ」
「ぐっ…そりゃあ悪ぅござんしたね!」
一波乱も二波乱もあり…こうしてタケルと私の逃亡生活は始まった。
…ん?
このままタケルを巻き添えにしていいものか…
「私…今日警察に行く。ちゃんと本当のことを説明しないと…」
「そうだな。俺も証言してやるよ」
よかった…。
私ひとりだったらこのまま逃げ続けたかもしれない。
「…けどわかってもらえなくて逮捕されたらどうしよう!」
「そうだなぁ…」
「やだ、大丈夫だって言ってよ~…!」
「ああ、大丈夫大丈夫」
「もう…!」