コンプレックス

「わ…すれもの?」

「ほら」



バッグ…



「それは忘れ物じゃない…あいつが取り上げたのよ!」

「ええ?」

「言ったでしょ、私あいつに監禁されてたって…」

「ははは、まさか!」

「…え?」

「加藤さん、本当はいい人じゃない。少し話してわかったわ。とても誠実な方」

「だっ…携帯…携帯だって勝手に解約したのよ!」

「ええ?あんたが料金払わなかったんじゃないの?」

「ええ!?」



そういえば忘れてたかも…。でもタイミングよすぎー…。



「何か誤解が生じたんじゃないの?そりゃ指名手配はやり過ぎだと思うけど…」

「そうよ!普通そんなことしないでしょ!あの人おかしいんだって…!」

「ユカは…昔あんなことがあったから男の人はみんな悪い人だって頭から決めつけてるんじゃないの?」

「お母さんっ…!」

「もう一度加藤さんとよく話しをしてごらんなさいよ」

「…もういい!」



母はあいつに言いくるめられている…。
私の言うことなんか…信じてくれない。




「ユカ、あんた今どこにいるの?」



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