コンプレックス

「頭…あげてください…」

「じゃあっ、僕のこと許してくれるっ!?」



加藤は頭をあげるなり私に縋り付くように下から上へ…



「ちょっ…ちょっと…!」



違う…やっぱり違う!



「ねぇユカぁっ、帰ろ、おうちに帰ろ~」

「離してっ…!」



恐い…誰か助けてっ…!



「あ!車が。あそこ駐車禁止じゃ…?パトカー来ましたよ!」

「えっ」



た…助かった…。



加藤が車の所に戻り、警察に注意されてる間に私は逃げた。










「はぁ、はぁ、はぁ……」



も…もう大丈夫かな…?ここまで来れば…。



早く…早く帰んなきゃ!



そしてもう…私外に出ない。





そうして二ヶ月が過ぎた。
クリスマスもお正月も私はこのかおりさんの別荘で孤独に過ごした。

今回は捜索願いも指名手配も出していないだろう、さすがに…。

いくらなんでも…。
ねぇ…。


はぁ…。





私…いつまでこうしてるんだろう…。






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