コンプレックス
裏切り

ピンポーン



「!?」



チャイムが鳴るたびにビクッとする…。

誰…?かおりさん…?



「あのー、すみませーん」



…聞いたような声…あっ!?



「さっちゃん!?」

「ユカー!いたーっ!」




母から、私はどこかの別荘にいると聞いたさっちゃんは、それらしき所をずっと尋ね回っていたと…。



「差し入れだよ!」

「わっ、助かる!」



私が失踪する前以来の再会だった。
…早くもさっちゃんのお腹はふくれていた。



「捜すの大変だったー。ユカがこんないい所でひきこもり生活してるなんて…びっくりだよ」

「私もびっくりした。そのお腹」

「ああ。出会ってから結婚妊娠超特急。私もびっくりしてるよ」

「さっちゃん…おめでとう」

「…ごめんね、なんか私ばっかり」

「謝らないでよ、さっちゃんが幸せなら私も嬉しいし」

「ありがとう…。ね、失踪中の話聞かせてよ!」

「ええ?なんかおもしろがってる?」

「うん」




久しぶりにさっちゃんとたくさんしゃべって心が和んだ。








「…じゃあ生活はどうやって?」



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