コンプレックス

なんで…!?
どうしてここがわかったの!?



「ユカぁ、出てこいよぉ。ここにいるのはわかってるんだよー」



ピンポンピンポンピンポン…



…いないいないいない!






それから毎日、加藤は現れた。
夜も明かりはつけずに、ずっと無視を決めこんでいたけれど…




「ユ~カ~」



ピンポンピンポンピンポン…



「出てこないとぉ~」



ドンドンドン…



「!?」


「ここ壊しちゃうよ~」


「やめてくださいっ!」



たまらず声をあげてしまった…。



「ユカぁ。やっと声聞かせてくれたね。ねぇ開けてよ」

「帰ってください、来ないでください、こういうことしないでください!」

「ひどいなぁ。僕一生懸命君のこと捜したんだよ」

「…なんでここがわかったんですか!?」

「君の心優しいお友達が教えてくれたんだよ」

「お友達…!?」



まさか…さっちゃん!?
ううん、さっちゃんじゃない、さっちゃんはそんなことしない!




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