コンプレックス

どこに行ったの?もう帰っちゃった…?

私が黙り込んだから愛想尽かされたかな…。



警察からの帰り道…



恐い…




恐い…






女性の警察官が送ろうかと言ってくれたのに…遠慮なんてしなきゃよかった。



「…!?」



背後から走ってくる足音が聞こえた。
振り向いて見るのも恐いし…





足音がだんだん近づいてくる…





うそ…私の後ろで止まった…!?




「おい、待てよ」




恐い!…逃げろっ!



「おい!…ユカ!」



やっぱり私を追いかけてきてる…!





恐怖のあまり、その時の私は声の判別もできていなかった。





「待てって…!」

「ぎゃぁあ離してっ!」

「俺だよ!」

「おっ…え!?な…んだ………ふぇ~…」




…タケルだった。




「おまえ…相変わらず速いな」

「だって…はぁー」



足がガクガクして私は電柱にしがみつかなきゃ立っていられない状態だった。



「…もう!脅かさないでよっ!」



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