コンプレックス
もう私のことまともに見れないよね…
自分でさえ自分を剥ぎたくなる…
そうして無意識で付けた傷も数知れず。
鏡も見たくない…けど…
「ユカ…!何してるの、やめなさいって!」
ハサミを持っていたら…
「生きてるだけでいいの!生きて帰ってきてくれたからそれだけでいいのっ…」
「お母さんっ…髪の毛切ろうと思っただけだよ」
「髪…の毛…」
「もう…自分の体に傷入れたりしないから。ごめんね…」
私だけじゃない。母も同じくらい傷ついた。それも二度も三度も…
もう母を悲しませたくない…。私は、笑って誓った。
「美容室…行こうか?」
「いい。大丈夫」
時間はかかるかもしれないけど、また復活する…!
月日は経ち、判決の日がきた。
「ユカ…」
声をかけてきたのは…さっちゃんだった。
「ユカ…ごめんなさいっ!」
「……………」
「まさかあんなことになるなんて…私…バカだった…!」