コンプレックス

「お客さん、胸元にゴミが」



タケル…!



タケルが酔っ払い客の胸倉を掴み上げた。



「ゴミぃ?どこだぁ?」



酔っ払い客がヨタヨタキョロキョロしてる間に、タケルは私の袖を塩一掴みのようにして引っ張り、裏へ連れていった。





「何してんだよ!?」

「何って…お酒飲みに来たのよ!」

「ちょっと飲んでくる♪って距離か?」

「…いいじゃない!…ジェニファーさんやみんなに会いたかったんだもん!」

「なんで酔っ払いに絡まれてんだよ!?」

「しっ…知らないよ!そんなん好きで絡まれるわけないじゃない!」

「あーもう!」

「…何カッカしてんの!?私が来てそんなにいや!?だから私今日はお客として…」



なんで…喧嘩みたいになっちゃったんだ…?



「…勝手にしろ」

「…するよっ!」





私は…わかっていなかった。







「マリアさん、もう1本!」

「ユカちゃん、よく飲むわね~。大丈夫なの?」

「大丈夫!ねぇマリアさ~ん、手品見せて?」

「え?いいわよ~」



酔っ払っちゃった…





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