コンプレックス
「え…」
「わかってたら…謝ったりすんな」
「だって…」
「……………」
「タケル…あれ以来全然こっち見てくれないね」
「…そんなことねぇ」
「うそ!だって一度も目ぇ合わないし…」
「…お疲れ様。もう帰れ」
「な…によ。…わかったよ!もう…今度の今度こそ二度と会うことないね!」
何言ってんだ私…
こんなことが言いたいんじゃないのに…!
「あらユカちゃん、帰っちゃうの?」
「ええ…。ありがとうございましたジェニファーさん」
「泊まってったらいいのに…。電車まだあるの?」
「はい。…じゃ」
「あ、ひとりで大丈夫?ちょっとタケルちゃん、タケルちゃーん」
「大丈夫です」
「あ…また来てねユカちゃーん…」
なんだか逃げるように出てきちゃった…。
「!」
「おう…気をつけろぃったく…」
「すみませんっ!」
なによ…自分がぶつかてきておいて。
こんな時間…街は酔っ払いだらけだ。
「……………」
バカだ私…
タケルはちゃんとこっちを見てくれていたのに…
今夜だって助けに来てくれた…。
大バカだ…。
やだよ…
もう会えないなんて…